2003年7月 紙パ技協誌

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紙 パ 技 協 誌 2003年7月 

第57巻 第7号(通巻第628号) 和文概要


ECF漂白過程における糖の酸化とリグニンの酸化
東京大学大学院 農学生命科学研究科生物材料科学専攻木材化学研究室 松本 雄二  

 ECF漂白過程における多糖類の分解とリグニンの酸化分解の関係について,主に筆者の研究室で得られた実験結果をもとに総括した。酸素漂白過程におけるリグニンの酸化反応の進行は,明確に異なった3つのフェーズに分けられる。第1フェーズの反応は,分子状酸素がリグニン中のフェノール性水酸基を有するユニットを直接酸化する過程であり,最も大規模に酸化がおきる。酸素と速やかに反応しえる部分は第1フェーズにおいて反応を終えるため,第2および第3フェーズは,第1フェーズに比べてはるかにゆっくりとした過程であり,リグニンは主として活性酸素種が連鎖的に生成する自動酸化機構によって酸化されると考えられる。
 分子状酸素とリグニンの反応によって活性酸素種が生成する。これらの活性酸素種はリグニンのみでなく多糖類をも攻撃する。酸素漂白の条件では,多糖類は還元性末端をのぞいて分子状酸素によっては酸化されないと考えてよく,ヒドロキシラジカルのような活性酸素種によってのみ酸化される。したがって酸素漂白過程における多糖類の分解は,リグニンの酸化に伴っておきる“共酸化”現象とみなすことができる。活性酸素種の生成に対する金属イオンの影響や,活性酸素種がリグニンあるいは多糖類と反応する際の反応選択性などに関して,種々のモデル実験系で解析した。オゾン漂白過程における“共酸化”現象についても簡単に紹介した。
(本文3ページ)


Ahl―stageTM酸加水分解とオゾン漂白による相乗効果
アンドリッツ株式会社 福沢 民雄             
アンドリッツ・オイ ピッカ・オラビ,ベヘマー・ヤンネ  

 ECF漂白に用いるプロセス,薬品は現在多くの選択肢が考えられる。オゾン漂白,酸を使ったAhl―stageTM酸加水分解法,更にこれらを二酸化塩素漂白と組合せてより効率,経済性,環境へのインパクトの少ない漂白プロセスが開発,実用化されている。
 近年の研究により,アルカリ蒸解中にキシランがヘキセンウロン酸(HexA)に変化し,漂白工程で薬品を浪費する,漂白性を阻害する,スケール問題,色戻り問題を起こすなどの弊害が解明されて来た。リグニンとHexAに対してClO2の反応速度はほぼ同一であるため,有効なECF薬品である二酸化塩素を浪硬する。未晒パルプ中のHexA量はL材の場合,酸素脱リグニン後でカッパ価4〜6に相当する。漂白窮1段薬品をClO2とした場合,HexAにより,この二酸化塩素が無駄に消費される,Ahl―stageTMは,マイルドな条件下でHexAを酸加水分解する,これにより,ClO2の節減,スケール抑制,色戻り減少を図ることができる。HexAは酸加水分解を経てフランカルボン酸に分解するが,そのClO2との反応速度はリグニンより,はるかに遅い。従って,中問洗浄のないA/Doシ一ケンスも可能となる。オゾンはTCF漂白薬品として使われていたが近年,ECF漂白に応用されその効果が確認されている。オゾン漂白をECFに組合せることで,塩素系薬品であるClO2の使用量を削減する。オゾンはHcxAと反応しシュウ酸を生じ,スケール問題を起こすので前段で酸加水分解するのが効果的である。漂白前段にA―Zを導入することで相乗効果が得られる。ClO2の節減,スケ一ルの抑制,色戻りの滅少,ピッチの減少の効果がある。(本文12ページ)


高温二酸化塩素漂白の理論的基礎および第1号設備における操業結果
クヴァナ パルピングAB社 マーティン ラグナー  

 高温二酸化塩素(以下D*で表す)漂白は急速な発展を遂げ,広葉樹(HW)クラフトパルプの無塩素(ECF)漂白法の第1段漂白用として標準的な選択肢になろうとしている。本稿では,多くの広葉樹樹種に関する実験データを紹介し,DEDシーケンスとの比較をしながら,D*EDシーケンスによるパルプの漂白特性を述べる。D*漂白法の第一号設備の操業成果をラボ結果と比較すると,よく一致することが明らかとなった。つぎに,高温二酸化塩素漂白法について,二酸化塩素漂白の前処理として高温酸処理を行う方法,いわゆる(AD)*技術との比較を行った。さらに,高温二酸化塩素漂白を組み合わせた2段階漂白シーケンスである(DQ)*(PO)について,強度特性や漂白薬品コスト等の比較を行った。この2段階シーケンスは他のシーケンスに比べて多くの長所を持っており,特に日本の状況に即していると結論づけることができる。
(本文21ページ)


ECF漂白の環境改善効果―モデル実験および工場における実例―
筑波大学 農林工学系 大井 洋  
北越製紙株式会社 技術開発部 中俣 恵一  

 日本で2000年1月に施行されたダイオキシン類対策特別措置法では,ECF漂白工程を含めて塩素系漂白施設を特定施設として指定している。日本の規制では,ダイオキシン類の水質に関する排出基準は10pg―TEQWHO1998/Lである。これは,環境基準(1pg―TEQWHO1998/L)の十倍とされている。パルプ漂白工場の工程水と工場排水に含まれるダイオキシン類の量については,環境基準の観点から把握することが重要になっている。海外の研究においては,わが国の環境基準で議論されていない。そこで,LOKPを用いて過剰の二酸化塩素を添加した漂白モデル実験が行われ,さらにECF漂白転換前後の工場の工程水について,ダイオキシン類の水準の分析調査が行われた。また,ECF漂白操業が安定して行われている北越製紙新潟工場の工程水について,ダイオキシン類の分析結果が発表された。
 一方,漂白工程からの有機塩素化合物全般を削減するため,日本では,酸素脱リグニンの導入による塩素使用量の適正化や排水処理設備の強化などが進められ,特にクロロホルムの排出削減を目的として,ECF漂白の導入が進められている。北越製紙新潟工場で導入したECF漂白におけるクロロホルム排出抑制の効果の事例を報告する。
 塩素を用いずに二酸化塩素(ClO2)を用いるECF漂白について,ダイオキシン類対策特別措置法において特定施設として指定されていることは明らかに不合理である。ECF漂白によってクロロホルムの排出量は大きく改善され,特に排水側で著しく改善された。
(本文31ページ)


漂白プラント排水中のCOD低減技術の状況
エカケミカルス株式会社 レナート・ミューラー,リレモア・ホルティンジャー  
日産エカケミカルス株式会社 坂本 宗男                     

 この報文では漂白プラント排水中のCODを低減する技術について,主として部分クローズド化に焦点を当てて説明する。また漂白プラントのクローズドサイクル化についても言及する。
 酸素を使用しないユーカリパルプ及び酸素で前処理したユーカリパルプのECF漂白について実施した部分クローズド化に関するラボでの評価結果から次の結論が得られた。
 ・漂白プラント排水中のCOD,BOD,及び色度の約50%が回収系に戻される。
 ・Ba,Ca,Fe,Mg,Mnは20%以下が,蓚酸塩は約35%が再循環される。
 ・全塩化物の約5%のみが回収系に戻される。
 ・ユーカリパルプからの排水は処理しやすく,AOX,及びCODをそれぞれ約80%及び70%低減できる。
 限外ろ過及びアルカリ白水の部分クローズド化により最終漂白排水中のCODを60%,AOXを40%減らすことができる。
 またアルカリ白水の限外ろ過は工業的に入手できる浸透膜を使って高流量で汚れも殆ど無く達成できる。
 パルプ工場でのフル運転経験により漂白プラントの部分クローズド化は可能であることが実証された。
 工場からの排出総量を減らすにはより効果的な生化学的処理が考えられるべきである。
 パイロットプラントでの結果からECMシステムでは漂白プラント排水をきれいな凝縮水,メタノールを含む凝縮水,二酸化炭素排ガス,及びナトリウム塩と重金属スラッジの混合溶液に転換できることがわかった。
(本文38ページ)


酵素・ECF晒の操業経験
王子製紙株式会社 米子工場 大石 孝  

 王子製紙米子工場は,1952年にわが国初の晒クラフト法による人絹パルプ製造工場としてスタートした。現在は,高級コート紙,アート紙等高級塗工紙専抄工場となっている。

 パルプ設備は,1991年の近代化工事により,広葉樹パルプ用連続蒸解釜を新設した。その後1998年塗工紙設備増設工事により,針葉樹パルプ用連続蒸解釜の新設,広葉樹パルプ系漂白設備の増設を行った。この時,紙パルプ工場としては世界で初めてのキシラナーゼのオンサイト製造と本酵素による酵素処理を広葉樹パルプ系漂白工程に導入した。さらに,2000年には広葉樹パルプ系漂白工程を塩素段を含むコンベンショナル漂白からECF漂白に転換し,酵素処理は,ECF漂白においてもコンベンショナル漂白と同様にコストダウン効果が発揮されるとともに,酵素処理を含むECF漂白シーケンスは,環境負荷軽減に大きく寄与している。
(本文51ページ)


オゾンECF漂白の操業状況
日本製紙株式会社 勇払工場 鈴木 高雄  

 日本製紙では勇払工場LBKP(日産510トン,アカシア,ユーカリ主体)漂白工程において,国内で初めての中濃度オゾンECF漂白を2001年1月から稼働させた。シーケンスは,ZD0―E/OP―D1である。オゾン漂白を採用した理由は,パルプ品質が塩素系漂白と同等である,コスト的にも二酸化塩素ECFより安価である,排水およびパルプ中の有機塩素化合物を大幅に減少できる,などによる。設備的には,オゾン発生装置はオゾニア社製,漂白設備はアンドリッツ社製を採用,二酸化塩素発生装置はR2H法から過酸化水素を使用するHP―A法へ改造した。
 現在のオゾン漂白パルプは,製品品質上特に問題なく各マシンで使用されている。オゾンのコストはほとんど電力費であり,自家発電など低コストの電力を使用できるかどうかが,採用のポイントである。オゾンECFの晒コストは,塩素漂白と同等であり,D―ECFより安価であることが実操業で確認された。結果として,オゾン漂白の採用は,オゾン発生装置の初期トラブル多発とスケールトラブルを除けば,漂白効果,コスト,環境改善などほぼ当初期待した通りの成果を収めている。
(本文57ページ)


ECF新漂白シーケンスの操業経験
三菱製紙株式会社 八戸工場 原 普一  

 三菱製紙八戸工場は,2000年にLBKP製造設備のうちの3BKP系列についてECF漂白を導入した。2年間のECF操業経験から,ECF漂白は従来の塩素漂白と比較して酸素漂白後パルプの白色度の影響をより顕著に受け,更にこの白色度は未晒洗浄度の影響を受けることも分かった。
 一方,漂白薬品無添加で2塔洗浄後の条件をそのまま保持させる漂白段を組み込んだ新しい漂白シーケンスDEopLDを開発した。L段は洗浄のみでは除去し難いパルプ繊維ルーメン内の汚染物質を,溶出(Leaching)除去することからL段と命名した。この新しい漂白シーケンスの採用により,環境負荷の低減等ECF漂白の効果をより発揮できるようになり,更にスケールトラブル等のECF漂白の課題とされていたものにも改善の方向性が見出された。
(本文64ページ)


ECF漂白工程におけるスケール生成と防止技術
栗田工業株式会社 紙パ推進部 木幡 賢二  

 クラフトパルプのECF(Elemental Chlorine Free)漂白工程では,シュウ酸カルシウムのスケール障害が起こりやすい。スケール生成のメカニズムは複雑であり,結晶の核生成および溶解,結晶成長,付着などが同時に起こる。スケール化の傾向は,pHおよびシュウ酸イオン濃度,カルシウムイオン濃度から求められるスケール化指数(Saturation Index)で予測できる。
 スケール防止剤は,結晶の成長点に吸着することで,核生成の防止効果および結晶の晶癖効果,分散効果を示す。スケール防止処理の適用においては,核生成を完全に防止できるSIの上限値(Critical Saturation Index)を求め,このCSIによりスケール防止処理を最適化することができる。
 ECF漂白は従来漂白に比べSI値が高くなる。二酸化塩素段の洗浄機において,CSIで最適化した“デポクリン処理”を適用し,安定操業につながった成功事例を紹介する。
(本文70ページ)


ECF漂白による金属管理への影響
オンデオナルコジャパン株式会社 紙パルプ部 ジョー コノパ  

 米国では,クラスター・ルールの実施に基づき,すべての漂白クラフト・パルプ工場は排水中の,吸収性有機ハロゲン化物に関する厳格な基準に適合する必要が生じた。ほとんどの工場では,吸収性有機ハロゲン化物の基準を達成するために,主にC段かCD第一段で,100%二酸化塩素を,その代用物として適用しようとした。二酸化塩素を代替物として,無塩素漂白(ECF)に転換した工場では,漂白設備の第一段の幾つかの操業パラメーターに影響が見出されるようになった。
 いくつかの問題点のうち,そのひとつは,ECFによる脱リグニン工程において,塩素段に適用される二酸化塩素に100%変更できず,部分的にしか適用できなかった。またもう一つには,第一段でのpH上昇により,塩素やCD漂白法と比べて,その金属の溶解性は同一のレベルに達しなかった。
 金属および金属イオンを管理することは,ECFによる漂白工程において,大変重要な課題となっている。従来の漂白方法では,影響が少なかった金属でも,無機の汚れを発生させ,過酸化物による漂白において,その効率を低下させることになる。操業条件の幾つかについて,それを検討し,その最適条件を見出すことにより,漂白工程での様々な工程段階で,そのスケールに関する問題を減らすことができる。
(本文81ページ)


ECF漂白におけるスケール対策
伯東株式会社 四日市研究所 田邊 寛和  

 紙パルプ工場からの有機塩素化合物やクロロホルム排出に関する環境問題を背景に,クラフトパルプの新しい漂白技術が検討され実用化に至っている。
 新しい漂白方法としては,塩素ガス及び次亜塩素酸塩を用いないECF漂白法,一切の塩素系酸化剤を用いないTCF漂白法の二つがあるが,日本国内ではECF漂白法の導入が一般的になっている。
 もともと,クラフトパルプ漂白工程はスケール問題が発生し易い工程ではあったが,ECF漂白への移行に伴い,スケール生成傾向にも大きな変化が現れてきている。
 ECF漂白を導入している工場のいくつかでは,最初の酸性漂白段にシュウ酸カルシウムや硫酸バリウムスケールを経験している。
 本報ではシュウ酸カルシウム,硫酸バリウムの特徴,操業上の対策等について触れるとともに,酸性漂白段のスケール防止に卓効を示す薬品とシュウ酸カルシウムスケール析出予測プログラムを用いたスケール対策プログラムを紹介する。
(本文88ページ)


次期世代の印刷適性試験について―IGT製GST試験機での試験方法―
アイジィーティ・テスティングシステムズ 橋本 敏通  

 IGT印刷適正試験機は,会社設立年の1939年以降約60年以上にわたって世界各国の産業界及び研究・検査機関にて使用されている。その間,いくらかの変更・改良が加えられながらも,基本設計が全く変わっていない機種もある。これは,IGT試験機の完成度の高さを証明しているといえる。印刷適性試験を熟知した開発担当者たちが,じっくりと時間をかけて蓄積してきた技術をもとに細かな変更・改良を繰り返すことによって,成熟したIGT試験機が完成した。
 しかし近年,製紙・インキ製造・印刷技術は飛躍的に向上した。弊社IGTも,従来品の長所をそのまま残しながらこの時代に適応した新機種GSTシリーズを送り出した。
この機種の特長は,印圧調整をバネ式から空圧式へ変更することによって精度を高め,オプション機能を整えることにより煩雑な方法をとるこなく,短時間に試験が実施出来るようになっていることだ。
 新機種GSTの詳細各部を御覧頂ければ,60年以上にわたって培ってきた技術や知識を大いに活用しながら,高い技術を持つ新時代に受け入れられるような機種の開発や改良に努めてきたIGT社の姿勢が理解頂けるだろう。
(本文94ページ)


ゼオライト原料としてのペーパースラッジ(PS)の評価(第1報)―ゼオライト合成に適するPSの組成範囲―
静岡県富士工業技術センター紙リサイクルプロジェクトスタッフ 安藤生大,齊藤将人,村松重緒,日吉公男
愛媛大学 農学部 春名 淳介,松枝 直人,逸見 彰男        

 静岡県富士市に所在する20社の製紙会社の協力を得てPSをサンプリングし,主成分元素の分析を行い,タルク,カオリナイト,カルサイト等の主成分鉱物の組み合わせと量比を推定し,ゼオライト原料としての可能性を検討した。その結果,以下の結論が得られた。
 〓凝集剤に由来する非晶質Alが多量に含まれる(Al/Si>1.0)PSでは,ゼオライト生成量が多い。非晶質Alが多量に含まれる場合,ゼオライト骨格構造形成を妨害するCaOと反応し,ゼオライト合成を容易にする。〓ゼオライトに相当するXRD回折ピークの積分強度の合計値を“Z index”と定義し,CaO含有率に対する回帰曲線(y=−0.36Ln(x)+1.33)から,ゼオライト合成に適するCaOの含有率を求めた。その結果,CaO含有率が15.2%以下のPSはゼオライト合成に適し,CaOが38%以上含まれるとゼオライト合成が困難であることが明らかとなった。〓Ca,Si,Alの原子比を用いたXCa/Si―XCa/Al図をもとにゼオライト合成に適する化学組成範囲を明らかにした。その結果,XCa/Al<0.35,XCa/Si<0.30の化学組成範囲では,ゼオライト合成が極めて容易に行うことが可能である。〓分析した20種のPSは,XCa/Si/XCa/Al=0.86の極めて高い直線性を有することが明らかとなった。この直線性を用いると,CaOとSiO2,Al2O3のどちらかを分析することにより,他の1元素の含有量を推定することが可能である。〓PSの化学分析値を基にノルム計算を行いタルク―カオリナイト―カルサイトの3成分図を用いて,PSのゼオライト原料として最適な鉱物組成範囲を明らかにした。
(本文101ページ)


磁性パルプ紙の製造(第4報)―パルプ細胞壁細孔への磁性材料の充填―
愛媛県紙産業研究センター 藤原 勝壽  

 本論文では,前報で報告した方法に従って調製した磁性パルプ中のマグネタイト粒子の分布状態を検討した。まず,透過電子顕微鏡によって磁性パルプの細胞壁細孔内生成物を観察し,その電子線回折パターンの解析により,生成物が高い結晶化度を有するマグネタイトであることを明らかにした。続いて,TEMに接続したエネルギー分散型X線マイクロアナライザーを用い,マグネタイト成分中の鉄をマーカーとしてマッピング解析を行った。その結果,磁性パルプの細胞壁細孔にマグネタイトが生成していることを確認した。これらの結果から,マンガンフェライト,亜鉛フェライト及びマンガン亜鉛フェライトをin situ合成することにより調製した磁性パルプにおいても,その細胞壁細孔にフェライト粒子が充填されていることが推定された。
(本文112ページ)